上位4つの主要な排出国の中で、中国が最大の排出国となることが予想されており、米国、EU(27か国)、およびインドがそれに続く。成長率では今年はインドが最も高いと予測されているものの、総体としてはインドは依然として4番目の位置にある。
報告書は、190か国以上からの気候交渉担当者が、排出総量を抑えるための施策である、炭素排出量売買市場のルールの最終決定を含む、共通行動計画の策定に取り組んでいることを示している。
同報告書は、開催中の国連気候変動会議(COP26)に合わせて、木曜日に発表された。炭素排出量は、コロナによるロックダウン中の2020年に5.4 %減少したものの、今年は4.9 %の増加(4.1 %から5.7 %)に転じ、合計364億トンに達すると予測されている。石炭とガスの使用量は、2020年の減少量を上回る量が、2021年に増加している。2021年の石炭使用による排出量は、2019年のレベルを上回ると予測されているが、2014年のピークは下回っている。
米国とEUの排出量は、コロナ以前のCO2排出量減少トレンドに戻っているようだ。一方、その排出量は、絶対量でインドを上回っている。それ以外の地域の世界全体でみると、化石燃料由来のCO2排出量は2019年のレベルを下回っている。
調査結果は、交渉担当者たちが、パリ協定の第6条に記載されている炭素市場について、COP26で実施に移せるよう議論を始めたのに合わせて発表された。第6条の新しい草稿案が月曜日にリリースされた。炭素市場は大規模排出者の排出問題に対処するためのツールと見なされているが、カーボン・スペースという考え方に基づくシナリオが急速に立ち枯れていっているなかで、開発途上国を実際的に支援できる「炭素クレジット」の取引方法とはどのようなものか、を検討しつつも、意見は交渉担当者の間で分かれている。
調査を主導したエクセターのグローバルシステム研究所のピエール・フリードリングシュタインし氏は、「パンデミックからの経済回復に合わせて急激に排出量が戻してきているという現実は、気候変動に対して緊急に全世界的なアクションを起こす必要があるとの見解を裏書きしている」と述べている。
「地球の温暖化を1.5 ℃、1.7 ℃、2 ℃に抑える可能性を50 %にするために、我々に残された「炭素収支」は、それぞれ4,200億トン、7,700億トン、1兆2,700億トンにまで縮小した、と研究者は推定している。これは2022年の初めから、それぞれ11年、20年、32年分に相当する。
「 CO2排出量“ネット・ゼロ”を2050年までに達成するには、世界のCO2排出量を年間平均約14億トン削減する必要がある。2020年の排出量は19億トン減少した。したがって、“ネット・ゼロ”を2050年に達成するには、コロナ・パンデミック中に見られた量に匹敵する量の排出量を毎年削減する必要がある。これは、現在必要とされている行動の規模、したがってCOP26の議論の重要性を浮き彫りにしている」と、フリードリングシュタイン氏は述べた。
研究によれば、過去10年間、世界の総排出量は比較的一定に保たれており、平均で397億トンのCO2が排出されている。森林と土壌による排出二酸化炭素の吸収量は過去20年間で増大した一方で、森林伐採やその他の土地利用の変化による排出量は比較的安定しており、これは、土地利用の変化による純排出量は最近減少していることを示唆している。「調査結果に基けば、大気中のCO2濃度は2021年に2.0 ppm増加し、年間平均415 ppmに達すると予測されている。これはラニーニャ現象によるもので、2021年はここ数年に比べて低い増加だ」と、研究は述べている。
グローバル・カーボンプロジェクトは、地球の持続可能性に関するフューチャーアース・リサーチイニシアチブの一環であり、世界気候研究計画の研究パートナーでもある、国際的な研究プロジェクトだ。
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