2021年2月18日木曜日

インド、コロナ・ウイルス安全国からの外国人観光客、制限付き渡航再開を検討(#9)

ニューデリー:インドはほどなく、必要とされるすべての健康プロトコルに従うことを条件に、コロナ・ウイルスの感染状況が制御されている国からの外国人観光客に、ドアを開くことになりそうだ。
政府高官によると、現在、国別に観光ビザの再開を調整することについて、閣僚間協議が進められている。インドは昨年3月に新型コロナ・ウイルスのパンデミックにより、外国人へのビザ発給のほとんどを停止していた。
過去数ヶ月の間に、観光目的を除く、特定のビザの種類の外国人の旅行が認められるようになった。「内務、外務、保健、航空、観光の各省が共同で進めている、観光ビザの、制限付き再開決定にむけての議論が最終段階に入っている。当初許可されるのは、特定の国からの観光客だけに限定される可能性が高いものの、現在、入国に係る、検疫および、他の健康面の条件策定が進められている。我々は現在、来訪者が、陰性報告書(要求された場合)や、ワクチンを必要回数受けたことの証明書を持参する必要があるか、といった問題を検討している。必要だとすれば、どれくらいの期間か、あるいは、証明書は必要ないだろう、等々。」と、トップの関係者は言った。

パンデミックの影響で最悪の被害を受けたインドの観光・航空業界(航空会社や空港)は、国際観光再開の道を模索している。国内観光は数ヶ月前に許可され、それが現在、この業界にとって、強力ではあるにしても、唯一の命綱となっている。「コロナ問題が続いている間に必要とされる安全規範の範囲内で、外国人観光客に向けてインド旅行を再開することが重要だ。
現状我々は、平均レートに満たないレベルでのビジネスを強いられている。レジャー地(ゴア、ラジャスタン、ケーララなど)のホテルは、国内旅行者の戻りが強いため、稼働率は65%~70%となっている。ビジネス旅行が弱いため、シティホテルは30-35%の稼働率となっており、全体の稼働率はおよそ50%である」と、ITCのエグゼクティブディレクターであり、観光とホスピタリティ協会連盟(FAITH)の会長である、ナクル・アーナンドは、木曜日、デリーで開かれた観光団体のイベントで述べた。
パンデミック前の2019年の外国人観光客の入国数は180万人で、そのうち57%がレジャーやレクリエーションを目的としていた。外国人観光客の70%を占める、インド向け出発地のトップ10は、バングラデシュ、アメリカ、イギリス、オーストラリア、マレーシアなどである。
観光産業省およびFAITHによる共同レポートは、2~3年で、国際的な観光活動は、パンデミック前のレベルに戻るだろう、とする。「2020年には、世界の国際観光活動は70%以上減少し、30年前の水準にまで落ち込んでいる。各国が渡航制限を一部解除し始めたものの、海外旅行需要は引き続き低調に推移すると予想されている。しばらくは、国内観光が旅行・観光産業の牽引役となるだろう」。
国際旅行は、SARSの時、底値からの回復(ブラックスワン以前の水準に戻る)のに11ヶ月、9.11からは14ヶ月、2008、9年の世界経済危機からは19ヶ月かかった。コロナ感染の世界的な拡大を考慮すれば、回復には3年かかる可能性がある、と報告されている。
インドの航空会社や空港事業者もまた、必要とされるすべての予防措置を講じることで、海外観光客の入国再許可の道を模索している。インドは、いくつかの州を除いて、コロナ・ウイルスの感染拡大を制御できた、数少ない国の一つだ。

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