2021年9月24日金曜日

★インドと日本を、英豪との安全保障同盟に組み入れる意図はない:米国【最新インド・ニュースを日本語で!(#188)】

ワシントン/ニューデリー:インドと日本は、米国がインド太平洋地域における中国の活動増加に対抗するため、オーストラリア、英国と組んだAUKUSと略称された三国間安全保障パートナーシップには参加しない。

「先週のAUKUSの発表は、そのことを示唆するものではありませんでしたし、これは、大統領が(フランス大統領エマニュエル)マクロンに伝えたのと同じく、インド太平洋地域の安全保障に関しては今後どの国も加わるものではない、というメッセージなのだと私は考えています」 と、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は水曜日、定例のニュース会見で記者団に語った。
これは、サキ報道官が、今週、初めて対面で行われるQuadサミットに参加するため首脳がワシントンを訪れている、インドや日本のような国も、新しい安全保障同盟の一部になるのか、という質問に答えたものだ。
「金曜日に・・・米国政府はオーストラリア首脳と(Quadサミットのために)会合を持ちますね。そこには、インドと日本も同席します。米国政府はこの両国にも、今回オーストラリアとの間で取り決めたのと同様の軍事的役割を期待しているのですか?」 とジャーナリストが尋ねた。
「AUKUSのことですか? そうなるとしたら、名前はどうなるでしょうね。JAUKUS? JAIAUKUS?かしら」 サキ報道官は返答の前に冗談めかして場を和ませた。


AUKUS

9月15日、米国は、中国との主導権争いが激しさを増していることに対応するものとして、豪・英との新たな同盟を発表。オーストラリアの新しい原子力潜水艦艦隊によりインド太平洋の海軍力の強化を図った。
米国のジョー・バイデン大統領、オーストラリアのスコット・モリソン首相、英国のボリス・ジョンソン首相三者でのビデオ会議を通じて行われた発表は、オーストラリアに従来型潜水艦を数十億ドルで売却する交渉を進めているフランスを激怒させることとなった。
三国間安全保障同盟AUKUSは、インド太平洋地域で中国に対抗するための取り組みと見られており、この枠組みのもとで、米英両国はオーストラリアに対して、原子力潜水艦を開発するための技術供与を行うことが初めて可能となる。
中国はこの三国間同盟を鋭く批判し、そのような排他的なグループ化には未来がなく、地域の安定を著しく損ない、軍拡競争を悪化させ、国際的な不拡散努力を害することになるだろう、と述べている。


AUKUSは安全保障同盟で、Quadとは無関係だ:インド政府 

インド政府は、米・英・豪のAUKUS協定締結で、Quadの存在意義が希薄化するのではないか、との懸念を和らげるのに躍起になっており、「それはQuadとは無関係の安全保障同盟だ」との声明を出している。 
「QuadとAUKUSは、並べて比べられるような同種のグループではない。Quad参加国は、自由で開かれた、透明で包括的なインド太平洋地域というビジョンを共有している。Quadは、パンデミック、新技術や萌芽的なテクノロジー、気候変動などの問題について、世界レベルでさまざまなイニシアチブを採用している。AUKUSは、3か国が関与する安全保障同盟だ。私たちはその当事者ではない。私たちの見るところでは、それはQuadとは関係がなく、Quadの機能に影響を与えることはない。


四国は結びつきの強化を目指している 

四か国のグループは、自由で開かれたインド太平洋地域を促進し、中国の拡大主義に対抗する防波堤としての行動を模索する。北京政府は南シナ海の約90 %の領有を主張し、人工島に軍事施設を建設した。Quad参加国は、これらが重要な交易路の自由な航行を制限するのに用いられる可能性があることを懸念している。
四か国はまた、5 G通信ネットワーク、データセキュリティ、および情報の自由な流れについてコンセンサスを形成しようとしている。参加国は、特定の重要な鉱物や技術のサプライチェーンの構築について話し合いを行ってきた。これは、中国と対立するもう1つの分野だ。
参加国首脳は、安全な半導体サプライチェーン構築のための措置を講じることで合意することが期待されている、と日刊日経ビジネスは共同声明の草案を引用して報じた。同紙は、会合では、各国がそれぞれの半導体供給能力を確認し、脆弱性のある部分を特定することになる、と報じている。
(提携通信社からの入電)

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