2021年7月5日月曜日

★「おじいちゃんの健康的な食品」を復活させるハイデラバードの専門家たち

ハイデラバード:曽祖父たちが好んで食べていた穀物、野菜、果物を食べてみようと考えたことはありますか? もう少しすると3、4世代前の人々に人気があったものの、農業の産業化が前面にでてきたために、日々の食卓から消えていった食べ物の味を知ることができるようになります。都市農業科学者たちは、私たちの祖先の栄養となっていた食品を復活させています。パタンチェールにある国際半乾燥熱帯作物研究所(Icrisat)の科学者たちは、約100年から150年前に広く栽培されていた食用穀物、野菜、果物、油糧種子の膨大なリストを作成しました。

それらの中にはほんの4、50年ほど前まで人気があった食物もあります。このリストには、農家の優先作物から急速に姿を消していっている葉物野菜や果物、野菜も含まれています。

科学者たちによると、サツマイモやヤムイモなどの塊茎作物や、レッドグラムやマスール・ダル(レンズ豆)などの豆類は人気を失いつつあり、ソルガムといった穀物は、すでに「忘れられた食品」のリストに載っています。やや奇妙に聞こえるかもしれませんが、人気のあるジャガイモ、ジャックフルーツ、タマリンド、カスタードアップルでさえ、好まれる食材としての輝きを失いつつあります。

曽祖父の時代に人気のあった食材は、アマランサス種子、ソバ、アカザ、シコクビエ、アワ、キビ、コド・キビ、ヒエ、ツルアズキ、モスビーン、小豆、ファバ豆、ホース・グラム、タロ、カッサバ、スイートポテト、ヤムイモ、ジュー・プラム、サジー、ジュズダマ、パラダイス・ツリー、スパイン・グールド、スイート・ハイビスカス、アマランサス葉、ガラス豆、ウッドアップル、スターフルーツ、インド・ナツメ、ライ、ラファ、睡蓮、蓮と竹といったものでした。

 

このリストは、この年末に開催される国連食糧システムサミットに提出するグローバル・マニフェストの一部として、Icrisatのチームが他の研究機関の科学者たちとともに、作成したものです。これらの食品は、栄養価が高いだけでなくて、食糧不足を解消する効果もあります。Icrisatの科学者たちは先月、国連サミットに向けて、「おじいちゃんが食べていた物」についての国際セミナーを開催しました。

crisatの事務局長補佐ジョアンナ・ケイン=ポタカは次のようにいいます。「忘れられた食品は、世界の人口が増加し、気候の不確実性が高まり、食生活に関わる病気が増えていく中で、現在、そして将来的に食料システムが直面するいくつかの問題を解決する可能性を秘めています。中心に農家の人たちを据える形で、私たちは生物多様性を取り戻すための変化を目にしたいと思っています。その変化を現実のものとするために、今こそ、それらの食品から「忘れ去られた」というタグを外して、食材に取り入れるべきなのです。」 

アジア太平洋農業研究機関連合の事務局長であるラヴィ・ケートラパル博士は、多方面での活動を集めてまとめ上げられたこのマニフェストは、これらの食品をメインストリームに押し上げていくための世界的な行動計画へと、すぐにつながっていくことでしょう、と言います。「今、重要なのは、忘れられた食品の認知度を高めるための優れたコミュニケーション戦略を持つことと、農業食品の研究・イノベーションシステムを変革するための政策的介入を加えることです」

 

昔の人は栄養価の高いさまざまな作物を栽培して食べていたことが、歴史的なデータからわかっています。しかし、現代の産業化された農業と、それに伴う政策や食生活の変化により、多くの人が伝統的な食品から離れていきました。それらの食品は、今ではほとんど忘れ去られた食べ物、になってしまっています。


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