この希望的観測は、タタ基礎研究所(TIFR)の科学者たちによって提起されたものだが、これには、「再感染が大きくならなければ」という“但し書き”がついている。この研究の主要著者であるTIFRの技術・コンピュータサイエンス学部の学部長、3ディープ・ジュネージャ博士は、「第3波の鍵を握っているのは再感染だ」と言う。
インドでパンデミックが始まってから約17ヶ月が経過し、2020年の第1波で感染した人は、抗体レベルが低下して、再感染しやすくなっている可能性がある。再感染を注視し続けることで、市政府当局はその傾向を早期に察知できる。ジュネージャ氏は、まだコロナに感染していない20 %のムンバイ市民がすぐに予防接種を受ければ、第3波を防ぐことができると語った。「我々は、再感染が顕著な場合(すなわち、回復した80 %のうち、10 %が再感染しやすく、感染した場合に、最初の感染時と同様のプロセスで病状が進むケース)や、デルタ型よりも感染力が50 %、毒性が50 %高い新種が出現した場合など、やや悲観的なシナリオについても想定している」と彼らは語った。
「このようなマイナス要因があったとしても、結果的にはピークは、第2波の時を下回る規模になると見られる」とジュネージャ氏は言う。研究チームは、再感染が軽度であること、危険な新種が発生しないこと、6月、7月、8月にワクチンの接種率が高いこと、ワクチンの効果が75~95 %であること、という4つの要素が揃えば、9月までに第3波はほとんど気にならないものとなっているだろう、としている。
TIFRの論文では、ムンバイの第2波のピークは、デリーやベンガルールのピークに比べて低いことが指摘されているが、これは過去にウイルスにさらされたレベルが高かったためだ。ムンバイでの感染者数のピークは、第2波当時、1日あたり約11,000件。デリーでは約28,000件、バンガロールでは約25,000件だった。
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