2021年6月22日火曜日

★パキスタンのイムラン・カーン首相、中国のウイグル人弾圧論に同調せず

イスラマバード:パキスタンのイムラン・カーン首相は、中国におけるウイグル族の「ジェノサイド」に関する報道について沈黙を守った上で、イスラマバードと北京は、そうした問題を「ドアの向こう」で話し合っている、と語った。さらに同氏は、なぜ世界は新疆にばかり目を向けるのか。「インドがカシミールで何をしているかには無関心でいるのに」と、問い返した。「そちらの方が、はるかに重要だろう」と彼はAxios HBOとのインタビューで語った。

インタビュワーが、カーン氏は欧米のイスラム恐怖症については声高に主張する一方で、中国・新疆のイスラム教徒の状況について沈黙しているのはなぜか、との問いを投げかけると、「中国は、最も困難な時期に我々の最大の友人の一人であった。私たちが本当に苦しいとき、経済が苦しいとき、中国が私たちを救ってくれた。我々は彼らのあり方を尊重する。彼らとの間で何か問題が生じたとしても、それがどんなものであれ、ドアの向こう側で他者を交えず直接に話をする」とカーン氏は語った。

 

欧米が、カシミール人のことは捨て置いておきながら、ウイグル人の問題を取り上げているのは「偽善」だとした。「メディアで報道されているウイグル人への虐待の話は誇張されている、と中国は伝えてきた」とカーンは付け加えた。

 

中国、新疆ウイグル自治区、ウイグル人イスラム教徒の扱い、ジャンム&カシミール、そしてインドについての彼の発言は、インドとパキスタンのソーシャルメディア上で瞬く間に議論となり、多くのネットユーザーが彼の発言を批判した。このコメントを「完全な道徳的臆病者」と呼ぶものもあった。

パキスタンの核開発計画の拡大について、カーン氏は「私は核武装に完全に反対だ。今までもそうだった。カシミール問題が解決した暁には、隣り合う両国は文明人として暮らすことになるだろう。我々は核抑止力を持つ必要がなくなる」。

 

カーン氏は、女性に関する発言でも批判を受けた。彼は、パキスタンでの女性に対する暴力の原因には「誘惑」が一役買っていると述べた。「女性が、ほとんど布地のない服を着ていたならば、男性に何かしらの影響を与えてしまう。ロボットでもない限りね」。カーン氏が何十年にもわたって「プレイボーイ」として名を馳せ、肌も露わな服を着た女性たちと一緒に写真を撮ることが多かったことを踏まえて考えると、この発言は偽善的なものに聞こえる、と インタビュワーが水を向けると、「これは私自身のことではない」とカーン氏は答えた。「私の社会のことだ。社会がどのように振る舞うのか、ということが私の最大関心事だ。性犯罪が急増しているのを見たら、腰を落ち着けてどのように取り組むべきかを議論する。そういったことが現に私の社会ではある種の影響力を持っているのだ」。


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