2021年4月18日日曜日

★インド変異種、マハーラーシュトラからゲノム検査に送られた検体のうちの50 %から見つかる

ムンバイ:昨年末、コロナ陽性反応が出てゲノム解析に回された検体のうち、約50 %が、新たに同定された感染力の高いインド型SARS-CoV-2の変異種(B.1.617)だった。

これらのサンプルのほとんどはヴィダルバ地方のものであり、ムンバイ市内から提出されたサンプルにB.1.617の変異体を示したものは今のところないと、INSACOG(サンプルの全ゲノム配列決定を行う10の国立研究所のグループ)の科学者は述べている。

連邦保健省はこれまでのところ、全ゲノム解読プロジェクトの具体的な内容を明らかにしていない。金曜日に発表された情報によると、木曜日の時点で、13,614件の全ゲノムシーケンスサンプルがINSACOG10のラボで処理された。

このうち、インドでは1,189検体でSARS-CoV-2と見られる変異種の陽性反応が出ている。同省の発表によると、その内訳は、英国型の変異種が1,109サンプル、南アフリカ型の変異種が79サンプル、ブラジル型の変異種が1サンプルとなっている。

州から送られてきたサンプルの結果に関して、情報の一部が、土曜日に行われたオンライン会議の中で、連邦保健大臣 ハルシュ・ヴァルダン博士から州の保健大臣ラジェーシュ・トープ氏に伝えられた。

トープ氏によれば、検査されたのは、これまでに送られた1,100個のサンプルのうちの500個のサンプル。「我々は中央政府に詳細な報告を求めたが、それが可能になるのは研究が終わってからだと言われた」。

州政府が主に懸念しているのは、この変異体の高い感染力だ。イギリスやアメリカではすでに複数のサンプルからインド変異種が分離特定されており、その懸念は州のみならず、世界の他の地域にも共有されている。「この変異種は感染力が強いと言われているので、中央政府に報告書とガイドラインの改訂版がもしあるならば、欲しいと求めた。中央政府は、詳細な報告書は研究が終わってから出すと言っている」と、トープ氏は語った。

州の保健サービス局長であるアルチャナ・パティル博士は、問題のサンプルがどこから採取されたかは知っていると述べた。「いくつかのサンプルでは変化が見られる。ただし、それがマハーラーシュトラでの、今の感染の急上昇を説明するものなのかどうかについてのコメントはない」とパティル博士は言う。

インド変異種のB.1.617は、INSACOGプロジェクトの中で、デリーのゲノミクス・統合生物学研究所(IGIB)の研究者によって、初めて同定された。研究者は、L452 RE484 Kという2つの変異に注目した。この変異は、抗体から逃れる能力を持つことで知られている

インド変異種が、全土を覆う感染の波を「少なくとも一部」牽引している可能性がある、と指摘する記事を世界の専門家たちが書いている。昨年12月以降、約15,000の新型コロナ陽性のサンプルが調査されたと、IGIB所長アヌラーグ・アグラワル博士は言う。

科学者のチームは、この変異種をB.1.617と名付けた。全体的に見れば、この変異種はサンプルのごく一部に存在しているにすぎないが、ここ数週間で、その存在感が増してきている」とアグラワル博士は述べる。国外の科学者たちは、より詳細な情報を持っていた。ハーバード・メディカル・スクールの元教授ウィリアム・A・ハセルタイン氏は、フォーブス誌の記事でこう述べている。「新しい亜種は、マハーラーシュトラ、デリー、パンジャーブなど、少なくとも5つのインドの州で検出されている。インドでは、B.1.1.7(英国)、B.1.351(南アフリカ)、P.1(ブラジル)の亜種が流行しているが、これらの亜種が国内での感染者数の増加に寄与している」

記事は、「亜種がどの程度広がったかは不明だが、31日以降にインドからGISAIDデータベースに提出された2,844の配列のうち、162の配列(約6 %)がB.1.617に分類された。この割合は今後増えていくだろう」とする。


 

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