ニューデリー:中国の官製メディアは、東部ラダックの残存地域からの部隊の離脱は困難だと述べた後、先週、米国の軍艦がインドのEEZ(排他的経済水域)に侵入したことを受けて、インドは米国との関係を再評価すべきだとし、加えて、ワシントンに対するいかなる「幻想」も持つべきではない、との希望を伝えた。
「歴史を顧みれば、アメリカが、自国の国益を優先して、インドは言うに及ばず、いかなる同盟国に対しても背を向けることのある国だということは分かりきっている」と、人民日報傘下の、タカ派で知られるGlobal Times紙(環球時報)は述べ、アメリカ軍艦の行動に対するインドの怒りをさらに掻き立てようとしている。
同紙は、米海軍の通過からわずか2日後に、インドが米国に懸念を伝えたことに触れ、インド国内では自国の対応が軟弱だったとの声があると伝えている。同紙は、インド洋地域におけるワシントンの軍事的プレゼンスと活動に対して、インドは以前から警戒していたとする。一方でインドは近年、中国の台頭に対処するために、米国海軍の活動に寛容になる傾向がある、と解説を加えている。
「しかし、アメリカは常に世界の覇権を維持しようとしてきた。インド洋の戦略的位置を考えれば、米国がインド洋での軍事的覇権を簡単に放棄することはないし、覇権を争う国が出てくることも許さないだろう。これは、印米両国の戦略的利益の摩擦につながる」
「世界の覇権を確保し、海軍の広大な作戦範囲を維持することを目論んで、ワシントンは国連海洋法条約を未だに批准していない。米国の軍艦が『航行の自由』を盾に、中国を含む他国の領海やEEZに侵入することはよくあることだ」と付け加えた。
先週の軍事会談の後、中印双方が共同声明を発表しなかったことは、東部ラダックの残存地域での部隊の離脱が困難であることを示唆していると、同紙の別記事は前日に伝えていた。中国の孫衛東駐印大使は先日、パンゴン地区での部隊離脱は、相互信頼の構築と現場の更なる緊張緩和に資するものだ、と述べていた。同紙は、あるオブザーバーの言葉を引用して、一部のインド人は国境紛争をめぐって米国、特に米軍と「通じ合っている」との妄想を抱き、中印で合意に達したにもかかわらず、「賢く」立ち回っている。このような動きは、中印間の軍事面での信頼関係の回復に悪影響を与える恐れがある、としている。
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