2021年4月16日金曜日

★気象庁(IMD)はモンスーンの降雨量を「平年並み」と予想、恵みの雨が農業部門や経済全体を大きく活性化する

ニューデリー:インド経済に明るいニュースがもたらされた。インドの公的気象予報機関であるインド気象庁(IMD)は、6月から9月にかけてのモンスーンの降水量を発表。全国的に「平年並み」となるとの見通しを示した。2021年のモンスーンが「平年並み」となる確率を40 %とする一方、21 %の確立で「平年以上」となる、としている。

地球科学省(MoES)のマダヴァン・ラジーヴァン局長は、IMDによる2021年の南西モンスーンに関する長期予報を発表。「割合でいうと、モンスーンの季節雨量は、誤差± 5 %のモデルで、長期平均(LPA98 %となりそうだ」と述べた。

1961年から2010年までのインド全体の季節性降雨の長期平均地は単位あたり88 cm。誤差を含めて長期平均の96104 %の範囲に収まる降雨は『平年並み』と見なされる。

気象庁の予測では、2021年のモンスーンは、3年連続(2019年から2021年まで)で降雨量の多い年になるとしている。3年連続で雨量の多い年が続くのは、インドでは1996年、1997年、1998年の三年以来となる。

民間の気象予報会社であるスカイメット・ウェザー社も、今年のモンスーンは「平年並み」との予測を火曜日に出した。しかしこちらでは、今年のモンスーン降雨量を長期平均の103 %(誤差±5 %)程度と見込んでおり、「強含みの平年並み」という予想だ。「平年並み」となる確率も60 %としている。
「気象庁は5月の最終週に最新の予測を発表する予定だ。4月の予報の確定値の更新に加えて、4気候区におけるモンスーンシーズン(6月~9月)の降雨量の予測と、6月の月間予報も発表される予定だ」とラジーヴァンは語った。IMD515日にケーララ州でモンスーンの発生を予測する。

スカイメット社が2021年の「干ばつ」になる可能性を除外しているのに対して、気象庁の金曜日の予報はモンスーン降雨量が「不足する」(干ばつ)となる確率を14%ととしている。

 

気象庁は今年、最も先進的で包括的なシステムを使って予測を立てた。季節的な降雨の空間的な分布の予測に対する様々なユーザーや政府当局からの要求を考慮するほか、地域レベルでの活動計画を立てるために、地域平均の降雨予測も合わせて出している。

この目的のために、プネーのIMD・気候研究サービス局では、マルチモデル・アンサンブル(MME)予測システムを開発した。これは、IMDが使用するMonsoon Mission CFS MMCFS)を含む、地球規模の気候予測や研究を行う個々の機関から集められた情報を統合した、「全球気候結合モデル」(CGCMS)をベースにしたシステムだ。

IMDのダイレクター・ジェネラル、M モーハパトラ氏は語る。「マルチモデル・アンサンブル(MME)は、あらゆる分野で導入が進んでいる技術で、単一モデルに基くアプローチと比較した場合の、予測性能の向上と、誤差の低減を目指して用いられる。システムの予測精度の向上は、完全に、MME予測システムで使用されているすべてのモデルから上がってきた情報の総合結果次第となる。第一段階の予測については、従来型の統計的予測システムと新しいMMEベースの予測システムを使って予測を作成する。」

5月の第2段階の予測でも、このMMEに基づく予測システムを用いて、国全体と4気候区に関する確率予測を作成する」  

月次予測の作成において、気象庁は現在の統計モデルの代わりに動的MMEフレームワークを使用する。6月から9月までの4ヶ月間、月次確率予測は当該月前月の最終週に、MME予測システムを用いて作成されることになる。

降雨量が「平年並み」になるという予測は、インドの農業部門にとっては朗報だ。これにより地域経済と需要全般が活気づくことになる。通常の降雨量であることは、カリフ作物(水稲、豆類、油糧種子、粗粒穀物)の作付面積が広がることを意味し、かつ、次の作物シーズンに向けて、全土の主要な水域に十分な水が蓄えられることを意味する。貯水量が増えることで、ラビ(冬まき)作物の生産性が向上し、年間を通して豊作となる。

 

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