2021年4月11日日曜日

レムデシビルでコロナの死亡率は変わらない。パニック買いは控えて!:医師(#59)

プネー:「抗ウイルス剤であるレムデシビルの薬剤確保に走るのは無駄だ。新型コロナで入院している患者の生存率への影響は軽微、もしくは全くない」と、指導的な立場にいる医師たちや、国の対策委員会のメンバーは述べている。
この薬は、C型肝炎の治療薬として開発され、その後、エボラ出血熱や中東呼吸器症候群(MERS)に対する効果をテストされたが、新型コロナの患者に対する救命効果はなく、入院期間を2~3日短縮するのにしか役立たない、と医師たちは言う。
インド医学研究評議会(ICMR)が昨年発行したガイドラインには、この点滴薬は標準治療には使用できず、感染後10日以内に使用した場合にのみ有益だ、とある。
国のコロナ対策タスクフォースのメンバーであるシャシャンク・ジョシ医師は、この薬のパニック買いをやめるべきだと語る。「この薬を求めて駆け回るのは無駄だ。使用するには制限があって、最初の9日間のみ投与することとされている。これは、体内でウイルスが複製されるのを抑えるだけの薬で、死亡率を低下させる可能性はない。この薬に死亡率を下げる効果があると示した研究は、世界的に見ても、ない。」
また、こうも述べている。「医師がこの薬を処方するのは、入院期間を短縮する効果があるからで、より多くのコロナ患者のために、可能な限り多くのベッドをすぐに使えるようにしたいからではないか」
州のコロナ諮問委員会のメンバーである別の上級医師は言うには、レムデシビル以外で唯一推奨されている抗ウイルス剤はファビピラビル(=アビガン)だ。しかし、ファビピラビルは発症から5~6日目までに投与した方が効果が高い。
研究によると、ファビピラビルは武漢で初めて新型コロナ・ウイルス(SARS-CoV-2)に対して使用された。その後、ヨーロッパでのパンデミックの拡大に伴い、イタリア、日本、ロシア、ウクライナ、ウズベキスタン、モルドバ、カザフスタンでも緊急使用が認められた。昨年6月、インドの薬物管理局(Drugs Controller General)は、軽度から中等度の新型コロナ感染症(COVID-19)患者へのファビピラビルの使用を承認している。
タネー(Thane)にあるバクティヴェーダーンタ病院の胸部専門医であるアジャイ・ゴドセ医師は、レムデジビルはほぼ95 %の患者で効果があったと述べた。しかしその一方で、「奇跡の薬」と捉えるべきではない、とも語っている。
「ウイルス血症が長引いた場合、体内にウイルスが存在する時間が長くなるので、抗ウイルス剤による薬物療法が必要になる。私たちの患者にはレムデシビルが効くことがわかった。良い薬ではあるが、希望を託す、といった期待はしない方が良いだろう」。
また、彼は昨年5月にファビピラビルを使用したが、それはこの薬が経口薬で、早期に効果が期待できたためだったという。しかし、その効果はレムデシビルに比べて弱く、感染後5~6日以内に使用しないと効果がないことがわかった。
「加えて、腎臓の機能や体内での尿酸生成に影響が出ることを考慮して、その時以降は使用していない」とゴドセ医師は述べている。

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