2021年5月6日木曜日

★下院議員選挙。野党内での存在感を示せるか。コングレスにかかる圧力

ニューデリー:最近の一連の選挙で、地域政党が、モディ・レッド(モディー首相が率いる)選挙マシーンを押しとどめる防塁となり、全国レベルでの反民族対立主義戦線立ち上げの機運をにわかに盛り上げていることから、コングレス(国民会議派)には、対抗勢力としての存在価値を証明しなければならないというプレッシャーが高まっている。

地域政党をも絡めた今回の大規模な選挙戦とは対照的に、次のラウンドは、ウッタラカーンドとゴアで「コングレス対BJP」の直接対決となる。この2つの州はBJPが支配しているため、コングレスにとっては、ライバルからの議席奪還が至上命題となる。

 

しかしながら、西ベンガル州のTMC、タミル・ナードゥ州のDMK、ケーララ州のCPMの勝利で、地域政党が、勢力拡大を期するBJPを返り討ちにしたという印象を作り出した一方で、アッサム州のコングレスは敗北を喫していることから、そのハードルは以前より高くなっている。今回の選挙結果を受けて、全国的な反BJP共同戦線の構築が叫ばれているが、野党の多くは、自らを反BJPの声を代表する対立軸と称している当のコングレスこそが、相手方の「サフラン党」とがっぷり四つに組むことを阻んでいる「穴」だと考えている。

 

マディヤ・プラデーシュからチャッティスガル、ヒマーチャル・プラデーシュ、ウッタラカーンド、ラジャスタン、アッサム、カルナータカにまたがる広大な地域で、両党が拮抗する二極政治となっていることを考慮すれば、地方勢力からの関心を買う上で、コングレスは、自身にBJPを相手にして手なずける能力があることを是が非でも示しておく必要があるだろう。

 

2019年のローク・サバー(連邦下院議会)選挙の基調は、BJPが支配するチャッティスガル、ラジャスタン、マディヤ・プラデーシュをコングレスが全勝したことで決したが、ジャンム・カシミール州プルワマでの襲撃事件をきっかけに、選挙の力学が変化してしまったと、コングレス関係者は悔やしがる。

 

最大の票田であるウッタル・プラデーシュとパンジャーブでも、ゴアとウッタラカーンドと一緒に投票となるが、ウッタル・プラデーシュではコングレスは物の数に入らず、後者のパンジャーブではBJPが不在となっている。そのため、二大国民政党同士の直接対決の場として、ウッタラカーンドとゴアに注目が集まっている。ここで躓いたならば、コングレスの政治的地位は大きく後退することにもなりうる。


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