2021年5月1日土曜日

★「ソーシャルメディアで助けを求めた人を逮捕してはならない」:最高裁から警察へ

ニューデリー:酸素や必須医薬品、新型コロナの患者用ベッドが不足しているという苦悩に満ちた投稿をソーシャルメディアにした人を逮捕しないよう、州政府に警告。最高裁判所は金曜日、パンデミックに際して医療の不備を訴えた市民に取締りを行った場合、州警察とDGPは法廷侮辱罪に問われるとの声明を出した。

D.Y. チャンドラチュード、L.N.ラオ、S.R.バットからなる法廷は、マハーラーシュトラやハリヤーナ、ウッタル・プラデーシュでそのような投稿をしたかどで、人々が多数、提訴されていることには触れずに、コロナ陽性となったものの、救援のあてもない状態に置かれた身内や友人のために、ベッドや酸素ボンベ、レムデシビルの注射などを手に入れようと、八方手をつくして助けを求めている不幸な人たちが発したソーシャルメディアへの投稿に対して警察がとっている対応に、強く異議を唱えた。

「市民がソーシャルメディアへの投稿を通じて彼らの不満を述べ立てたとして、それが自動的にデマだと推定されることはない。言論の自由を抑圧することはできないし、そのようなことをすべきではない。酸素や薬の不足、病院のベッドの不足などの苦境を配信で訴えた人が逮捕されたとしたら、それは言論弾圧と同じことだ。我々はそれを本法廷に対する侮辱と受け取る」と、チャンドラチュード判事は述べた。同時に、1897年の疫病法、1860年のIPCの規定、2005年の災害管理法に基づく公衆衛生上の緊急事態の名目で、各州の警察がとった行動に対して、強い反発を示した。

「各州警察とその地域本庁(DGP)に向けて、大きなメッセージを発信しよう。国が公衆衛生上の緊急事態で人道上の危機に瀕しているときに、市民の言論の自由の権利を侵害することを我々は許さない。我々はそのような暴挙を働く者たちを侮辱罪で訴える」とのメッセージを、法廷は表明し、K.プッタスワーミ事件におけるアーダール(IDカード)の有効性に関する九人法廷での判決文を引用した。その中で、チャンドラチュード判事は「国家の危機に立ち向かうためには、情報の自由な流れが重要だ」と述べている。

プッタスワーミ判決の中でチャンドラチュード判事は、経済学者のアマルティア・セーンの言葉を引用しながら、ベンガル地方の飢饉の際には、情報の自由な流れを制限したために、食糧の入手可能性や在庫に関する情報が遮断され、多数の死者が出た、と述べた。一方、マハーラーシュトラの1970年代の飢饉では、自由な情報の流れによって多くの命が救われた。

法務次官のトゥシャール・メータ氏は、同法廷の見解に全面的に同意。苦悩している人がソーシャルメディアで不満を訴えたとしても、警察からいかなる措置も受けるべきではない、と述べた。一方で、当局は、社会にパニックを引き起こす可能性のある噂話や誤情報を広めることを阻止しなければならない、と付け加えた。

同法廷は述べる。「情報の自由な流れがあるべきだ。ソーシャルメディアに投稿された苦情は、政府や地方行政が、医療分野の一般的な欠陥に対処し、迅速に対応するのに現実的に役立つことがある。」


0 件のコメント:

コメントを投稿