(【上】からつづく)
『RRR』の予告編では、『ラーマーヤナ』の世界を垣間見ることができます。今作のアッルーリ・シータラーム=ラージュ、ビーム、シーターの物語は、その影響を受けているのでしょうか?
思い出に残るエピソードがあれば教えてください。
この映画にはたくさんの思い出があります。この映画のために、三年の間、300日も働きました。だからこそ、一生忘れられない思い出や経験がたくさんあるのは当然です。覚えておきたいことで、1つだけ挙げるとすれば、役者たちのコミットメントです。撮影2日目には、ロープをかけて60フィートの高さまで揺らしてみました。インターバル・シーケンスでは、65日間の夜の撮影で、気温が4~5度と低く、水を使うと凍ってしまいます。何百人もの役者、格闘家、技術者がいましたが、彼らの献身的な姿勢は素晴らしいものでした。彼らは一度も、「この後何時間、撮影を続けるんだ?」などとは尋ねてきませんでした。彼らはひたすら演じてくれました。だから、それは私が『RRR』を終えた後も、この先ずっと胸に留めておくものの一つです。
Jr.NTRとの4回目の共演作となる『RRR』ですが、この長い付き合いについてはどうですか?また、ラーム・チャランについて教えていただけることがあれば、お話ししてください。
素晴らしかったです。私にとって彼は、一俳優というよりも、友人であり、弟のような存在です。私たちは長い付き合いで、映画以外にもさまざまな話題で長く語り合っています。監督としての評ということであれば、彼は非常に成熟しています。彼は最初から才能の塊でしたが、今では自分の力をどのように発揮すべきかを理解しています。チャランについてですが、やはり彼にも多くの才能があるのだけれども、私が気付いたのは、彼はハヌマーンのような存在だということです。彼は自分の強さを知らない。彼のパフォーマンスを見て鳥肌が立っているところに、彼がモニターを見に来る。私は立ち上がって彼に抱きついたり、称賛の言葉をかけたりするのだけれど、彼はモニターを見て言うんです、「気に入りましたか?このシーンは大丈夫ですか?」とね。私は「何を言っているんだ!自分がどれだけ素晴らしい演技をしたのか分からないのか!?」という。すると彼は、「あなたが幸せなら、私も幸せです」と言うだろうね。そんな風で、彼は自分が良い俳優であることを知らないんだ。それが私にとってのラームで、私の映画ですらそうなんだ。
ムンバイで行われたプロモーションイベントでは、映画の中で観客が心臓の鼓動を速め、息をするのを忘れてしまうようなシーンがあると明かしていましたね。それはどういうことなのか、教えてください。
いや、それは話せないよ(苦笑)。普通、映画監督は映画のストーリーを披露しないようにするものだけれど、私は全く逆で、まず最初に、ストーリー、背景、何が期待できるのかを、インタビューやあるいは予告編そのものの中で話すようにしているんだ。観客はチケットを購入する際に、何が期待できるのかを知っているべきだと思うからね。何にお金を払う場合でも、どんなものが見られるかは分かっているべきだし、そうであっても、私はみんなを驚かせることができるはずだからね。そのシーンはサプライズ要素。触れないで置くよ。
長い間、遅れていたこの映画は、来年1月に公開されます。しかし、オミクロンが出現しました。予定通りに映画を公開するのは賢明な判断でしょうか?
私たちは、1月7日から予定通り、全世界の数千の劇場で映画を公開する準備をしています。私は自分の手元にある問題について考えます。それは私に解決できることだからね。コロナ、パンデミック、オミクロンその他については何であれ、私たちの手元にある問題ではなくて、自然の手の内にあるものです。自然が止まれと言えば、私たちは止まらなければならない。一時停止と言われれば一時停止しなければならないし、再生と言われれば再生しなければならない。だから、自分の手元にない問題については心配しないことにするよ。
パンデミックの影響で、映画の予算は増えたのでしょうか?これは『バーフバリ』よりも予算の大きい映画なのでしょうか?
はい、増えました。何十億ドルも使っているのに、パンデミックで世界中が止まっているのに、金利分は止まらずに増え続いています。それで予算は増えています。映画に三年かけていれば、年々、制作費は増え、資材も年々増えていくのだからね。予算は増えたけれども、それはそれで良しとしましょう。それから、ええ、予算は『バーフバリ』を超えていますよ。
(完)